インタビュー5

先生のあの笑顔は何だったんだろう…


んー、と考えてみる。

答えのないこと

例えば恋愛の正解とか自分の進む道とか

SNSの写真と文章が全然違う意味は?とか。

を、考えるときは頭が右に傾く。


答えがあること

明日の服や、今日の晩ご飯、

テレビのクイズ番組の答えなどは

左に頭が傾く、いつの頃からか私の癖だ。



「ねぇ、聞いてる?」


ちなみに今は右に傾いている。


「ねぇってば!翔子!」



美香は少し呆れたような顔でこっちを見る。

中学の頃からの友人で

高校で離れたが大学でまた同じになった。


ほぼ聞いてないが

今の美香にはそんな事言えない。


おおよそ結婚式の関連で話してたら

彼と温度差を感じたんだろう。

些細なことが不安になるらしく

いつでも爆発しそうな状態なのだ。


「いくつか候補を絞ってから話したら?」


式場、ドレス、料理どの話でも通じる返事。


「えー、でもなぁ…」


焼き鳥の串をクルクルする美香を見て

私の予想が当たったことに安心しながら

私の頭はまた右に傾いていく。


何だったんだろう…